C++/CX WinRTコンポーネントとJavaScript
WinRTと呼ばれるWindowsストアアプリのランタイムライブラリが、Windows8の大きな特徴になります。これは、MS-DOS、Windows、.NETという変化に匹敵するものだと思います。
これまでの環境との互換性のしくみはなかなか複雑です。C++/CLIとC++/CXの違いについて誤解しやすいので、このあたり実際にプログラムを作りながら理解を深めているところです。
これら二つは共存できないもので、入れ替えるのもののようです。しかしコードはとてもよく似ています。C++/CLIの特徴であったマネージ領域のポインタの代替えのトラッキングハンドラ(キャレット文字(ハット記号)で表す)が使われます。
今回は、JavaScriptのストアアプリからC++/CX関数への値の受け渡しのテストをしました。C++/CXをランタイムコンポーネントとしてビルドして、これをストアアプリのプロジェクトから参照をします
前回も、JavaScriptからC++/CXを呼び出すことをしていますが、意味的にはかなり違っていると思います。
サンプルは、JavaScriptで配列をつくり、C++/CX側で合計を計算して引数の値と掛け合わせたあと、JavaScriptに値を戻しています。
環境 : VisualStudio2012 / Windows8
C++側
プロジェクトで、C++ -> ストアアプリ -> Windowsランタイムコンポーネントを選択します。
Class1.cpp
#include "pch.h"
#include "Class1.h"
using namespace cppStoreRunCompo02;
using namespace Platform;
Class1::Class1(){}
int Class1::arrSum(const Array<int>^ arr, int num)
{
int sum = 0;
for(int i = 0 ; i < arr->Length; i++)
{
sum += arr[i];
}
return sum * num;
}
JavaScript側
プロジェクトで、JavaScript -> ストアアプリ -> 空のアプリケーションを選択します。
default.js
(function () {
"use strict";
WinJS.Binding.optimizeBindingReferences = true;
var app = WinJS.Application;
var activation = Windows.ApplicationModel.Activation;
app.onactivated = function (args) {
if (args.detail.kind === activation.ActivationKind.launch) {
if (args.detail.previousExecutionState !== activation.ApplicationExecutionState.terminated) {
} else {
}
args.setPromise(WinJS.UI.processAll());
}
};
app.oncheckpoint = function (args) {
};
app.start();
var cpp = new cppStoreRunCompo02.Class1();
var arr = new Array(10);
for (var i = 0; i < arr.length; i++) {
arr[i] = i;
}
var sum = cpp.arrSum(arr, 2);
alert("SUM : " + sum);
})();
function alert(str) {
var md = new Windows.UI.Popups.MessageDialog(str);
md.showAsync();
}

WinRTは、C++/CXを使う以外にも、標準C++でWRT(Windows Runtime C++ Template Library)というものから使えるようです。試しにC++/CLIでWRTを使おうとしましたが、やはりだめでした。
これはCOMの改良版ということのようですが、.NETから進化しているものなのか、それともシンプル化したものなのか、そしてこの先どの方向に進んでいくのか、とても気になります。
このWinRTの存在は、今後のWindowsを占う上でも、とても重要なものとなりそうです。